子育て

不登校の現状と取り組み

相変わらず寒さも強まる一方で、たまに日が照っているとほっこりしている先生です。

兵庫県の不登校問題

先日、兵庫県内ニュースで不登校のお子様に関するレポートがされていました。

昨今、多様性が謳われる一方で、不登校となるお子様のケアが深刻な問題となってきています。

令和3年度に実施された文部科学省の調査では、兵庫県下の公立小学校だけでも3500名程度、1.2%の不登校のお子様がいらっしゃるとされています。

平成29年の調査では1500名ほどで全体の0.5%ということですので、約2倍以上の人数になっていることが分かります。その要因は様々ですが、多数を占めるものとして、無気力や不安が50%程度、次いで生活リズムの乱れなどが挙げられています。

新型コロナウィルスの影響

この時期何があったかと言えば、新型コロナウィルスの感染拡大が私たちの生活に大きく影響を及ぼしました。大人でもリモートワークや時差出勤を経験された方も少なくないかと思いますし、学校でも分散登校やオンライン授業などの感染拡大の予防から、大きく日常生活が変わりました。

その一方で現在になって、コロナ前の生活スタイルに戻すとなった時に、再び大きく生活スタイルを変えなければならず、ついていくことが難しいことも少なくありません。

当然、誰しも不安な生活を強いられる中で、心もその状態を何とかしなければ、と作用します。

心理的な影響と「投影同一視」

その一例として、「投影同一視」というものがあります。これは、誰のせいでもなく自分が抱いている不安や怒りなどを、誰かのせいだと考え、その誰かに対し不安や怒りを解消するために攻撃する、避けるなどが挙げられます。

ただ前にも記載しましたが、これは自分の不安定な状態を何とかしようとするための心の働きによるものです。全てが新型コロナウィルスに対する投影同一視というわけではありませんが、心の一端として、そんな作用もあったりします。

地域の取り組みと支援

一方で、増え続ける不登校問題に対し、神戸市教育委員会では「こうべっ子みらいポート」という仮想空間を用いたオンライン登校のシステムを検証すべく導入しているそうです。オンライン登校では、名前を任意の名前に変更したり、自身のアバターを作成してそれで参加することも可能とのことです。

現在は神戸市のみでの取り組みのようですが、結果などを検討して、改善をしていく方針とのことです。

また、姫路市や太子町においても、適応指導教室の組織改革や、デイサービスでの取り組みを出席単位とみなせるように動くなど、より包括的な支援ができるように動いておられるとのことです。

また、適応指導教室の他にもフリースクールといった学校の出席認定を受けて通所できる場所も少なくありません。

いずれにしても、社会や地域に居場所がなくなり孤立してしまう、居場所を見つけるきっかけが無くなってしまうことで、二次的な問題につながるリスクを高めてしまいます。

無理に外に出ることが全てではありませんが、自宅以外に安心できる居場所があることで、未然に予防できるリスクも多くあります。

こどもオーケストラも引き続き、まずは安心できる居場所として機能できれば良いな、そのために何ができるかな、と考える先生の独り言でした。

文責:高野

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