子育て

災害避難でできること

年始から大きな地震がありました。
被災地の皆様が一刻も早く日常生活に戻れることを切に願うばかりです。

さて、万が一災害が起きたとき、神経発達症があることで、避難先でより大きな負担を強いられることがあります。物理的な環境もさることながら、特にしんどさを感じる点として、食事が挙げられます。災害時の準備として、少しでも負担を軽減できるために今できることを記載できればと思います。

神経発達症の有無に関わらずですが、誰しも食事の好き嫌いはあるかと思います。特に自閉スペクトラム症(ASD)があるお子様については、「感覚の偏り」という特性上、偏食があるケースが少なくありません。

避難所の様子をテレビ等で観られたり、実際に体験されることもあるかと思いますが、基本的には自衛隊やボランティアの炊き出しが主要な食事になるかと思います。一方で、避難先で偏食があることによって、食事を食べることが出来ず、普段以上に苦痛を伴うことがあります。また、無理に食べさせようとすることによって、嘔吐や食事行為そのものに対して激しい苦痛を抱くようになることも少なくありません。

避難グッズを事前に準備しておくことはもちろんですが、できることとして、お子様の嗜好品や普段食べられるもので保管ができるもの、あるいはお子様が安心できるお守りとなる人形やおもちゃなども、避難グッズに入れておくことで、避難所での負担がほんの少しではありますが、軽減されることがあります。

偏食は栄養が偏る、という点については確かにそうなのですが、食事行為そのものが苦痛になってしまうと、点滴などを頼らざるを得なくなります。それはご家族様からしても、ご本人様からしても、とてもつらくしんどいものとなるかと思います。そのため、例えばカップラーメンや、お菓子、ふりかけや海苔などでも、少しでも食事という行為が嫌いにならないように準備しておくことも時には必要です。

また、災害に加えて、避難先という非日常となると、誰でも苦痛を感じざるを得ません。とりわけ、神経発達症によって、ご本人様が人一倍しんどさを感じてしまうことは、周囲の人間が理解しておくことが必要です。だからこそ、普段使っているおもちゃや、安心できるものなどが1つでもあると、安心できる材料になります。例えば回転するものが好きなお子様ですと、ハンドスピナーなどがあると安心できるかもしれません。

災害は永遠に続くものではありません。被災された際には永遠にも感じられるほどの長い避難が必要です。ですが、必ず日常生活は戻ってきます。いずれ日常生活に戻った際に、可能な限りこれまで通りの生活を再び送ることができるように、準備することは重要です。

もし可能であれば自治体が実施している避難訓練なども通して、何があればより安心できるか、といった意見を積極的に発信していくことも今からできる準備になります。今回は食事とお守りとなるものについてのみ記載しましたが、それ以外にもできる工夫や準備などはあるかもしれません。自分は大丈夫と思わず、いつ来ても大丈夫なように、準備をしておくことで、少しでも日々の生活で安心して過ごすことができれば…と思っております。

文責:高野

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、いいね!お願いします

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
ログイン